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この仕事に就いたのは、染織に携わる祖母や母親の影響が一番大きいと思います。幼い頃から染料の匂いや、機(はた)織りの音の中で遊び、知らず知らずのうちに、身体にしみついていたように思います。 26歳のとき帰郷し、今後の道を模索していた頃「この島でしか出来ないこと」を仕事にしようと考えるようになっていました。島にある芭蕉(ばしょう)や苧麻(ちょま)をとり、島ならではの染料植物で染色しているうちに一番手ごたえを感じたのが「藍」だったというわけです。
藍染はただ「青い色を染める」という事だけではない奥深さがあります。
原料は、インディゴという青い色素を持った数少ない植物を、発酵という「自然の力」をいかして特徴ある青色の染料を造っていきます。藍の染料は温度にとても敏感で、複雑な工程を経て良質な染料となります。そこには先人たちの培ってきた経験による「人のちから」があり、現在の技術を確立してきました。それは「自然の力」と「人のちから」のコラボレーションではないでしょうか。
栽培から原料づくり、そして染めまで藍と付き合えば付き合うほど、その魅力にひかれ、一生付き合っていくんだろうなと思っています。
工芸品として飾るものではなく、日常使われる物であること。
藍の色の変化を楽しみ、一人ひとりの愛着ある物になってほしいと思いを込めて作っています。
八重山諸島が藍の産地となり、むかしのように生活の中でふつうに藍染めが使われているような地域にしたいです。その為にはナンバンコマツナギ(八重山藍)の栽培を増やし質の良い原料を造りたいと思っています。